駐在員として海外で仕事をするのであれば、辞めたくなるときや心が折れてしまって帰国したくなるときがあります。駐在員は、どのようなときに嫌気が差してしまうのでしょうか。
駐在員によくありがちな話です。
海外赴任でのストレス・我慢の限界を迎えるとき
- 仕事がそれなりに出来るようになったとき
- 現地の食生活や文化に馴染めないとき
- ローカルがすぐに辞めることに疲れ果てたとき
- 交友関係のマンネリ化
- 子供の教育環境の問題
- 赴任した国に妻がなじめない
- そして帰国準備について
仕事がそれなりに出来るようになったとき
はじめは仕事に慣れるのに一生懸命です。忙しい毎日の中で、フッと気づけば海外赴任してから1年から2年が経過しています。現地の社員もあなたのことを信頼してくれています。やっと仕事が円滑に回せるようになったタイミングです。
言葉も順調に上達し、仕事の指示も的確にローカルに伝えることができます。まだまだ語学力が不足しているのは感じていますが、つたない言葉でも仕事が回ってしまうことから語学の学習を止めてしまいます。
このタイプの特徴は、頑張ってきたこれまでの自分自身に満足しています。自己認識は、私イコール仕事の出来る奴です。ノリノリの状態とも呼べますが、これ以上いまの仕事を継続しても得られるものがないと感じます。目の前にあるタスクをこなすことに一生懸命だった時期が終わり、心に余裕がでてきたときとも言えます。
違う国で新しい仕事に挑戦したい。もしくは、日本で別のプロジェクトに関わりたいと感じます。このタイプは前向きな帰任、転勤理由があるといえます。
- 時期:赴任して1年〜2年
現地の食生活や文化に馴染めないとき
毎日毎日、日本料理屋に入り浸っています。ローカルの料理屋に行くのは日本からお客さんが来たときだけです。いつもの日本料理屋に通い詰める毎日。NHKの海外放送をぼんやり眺めながらの夕食。孤独です。駐在員の友達はいますが現地人の友達はいません。仕事以外に楽しいことはないので日本が恋しくなります。
- 時期:赴任してから帰国するまで
ローカルがすぐに辞めることに疲れ果てたとき
本社が期待を込めて送りこむ駐在員と現地社員のヤル気の差、温度差。(もちろん、ヤル気のある現地社員もいます。)
駐在員は、管理職や技術指導をする立場の仕事が大半なので、人材を育てるのが仕事です。できるスタッフほどすぐにジョブホッピング【転職】してしまう発展途上国で、人を育てるという努力を継続する必要があります。
1年〜2年かけて成長したスタッフは、給与が安いと文句を言い出し、「あっ!」という間に転職していきます。毎日、仕事を教え続け、手塩に掛けて育てたスタッフは転職してしまいます。欧米企業のように高い給与を提示できないのであれば、この問題を避ける事はできません。無力さを実感するときです。
社員を育てる→辞める→育てる→辞める→うんざり!
- 時期:手塩に掛けて育てた社員が転職してから〜
交友関係マンネリ化
現地人の友達はいません。友達と呼べるのは駐在員のみ。毎日、同じ日本食レストランで同じメンバーと食事をするので驚きはありません。テレビで日本のニュースをみるたびに帰国したくなります。ご飯のメンバーも帰国したい派が多数を占めます。毎日毎日、同じ仕事をして同じメンツでの食事。新鮮味のない世界、限界です。
- 時期:1年目以降
子供の教育環境の問題
単身赴任ではなく子連れ駐在員の共通の悩み、それは教育の問題です。しっかりとした企業だと会社が教育費を支払ってくれるので、そこそこの学校に子供を通わせることができます。
しかし、子供の日本語が上達しない!
日本語の授業を受けてはいますが、日本の学校と比較するとまったく話にならないのです。任期が終わり帰国するころには、子供の学力が・・・
子供の将来のために苦渋の決断をします。
- 帰任届けを書く。
- 嫁と子供を日本に帰国させ、単身赴任の駐在員としてそのまま勤務する。
- 時期:赴任してから〜
駐在員妻が海外の環境に馴染めなくて帰国したくなるとき
旦那の仕事で妻も海外移住した場合、旦那はエキサイティングな駐在員生活を堪能していても妻がギブアップしてしまうこともあります。駐在員の妻は生活面で恵まれた環境にいることが多いのですが、やはりそこは海外。友達はいないし、言葉も違う。食生活も違う。
また、言葉や食生活の問題をクリアーしても駐在員の妻という閉鎖的なコミュニティーに馴染めないことが原因で帰国する場合もあります。そこは大企業や大使館の妻が威張り散らしている魑魅魍魎とした世界。もちろん、良い人だっているけど地方都市で日本人が少ない場所なら、日本人コミュニティーを避けることはできません。
- 時期:帰任してから妻がギブアップするまで
海外赴任の帰国準備について
もしあなたが環境に馴染めず帰国することを決めたなら、こんなに幸せなことはないだろう。帰国準備の時間です。しかし、駐在員という仕事柄、帰国したくても次の赴任者が決まらないことには帰国できません。候補者を見つけたとしても引き継ぎが必要。ここは社会人なので我慢。
妻や子供が先に帰国して、駐在員の旦那はダラダラと単身赴任していることもよくある話。帰任が決まってしまえば、荷物を運送会社にお願いするだけ。
幸いなことに運送業者はどこにでもある。航空便から船便まで。一般的に引越しの荷物が多い場合は船便を利用します。しかし、受け取りまでに時間が掛かるので要注意。また、荷物がぺちゃんこに圧縮されてしまうこともあるので割れ物や電子機器はハンドキャリーか現地で処分してしまおう。
まとめ・駐在員が帰国したくなるとき
駐在員の仕事は激務なので、順風満帆にみえる人でも悩みを抱えています。これまで生活していた土地を離れ、異国で生きているなら、当然のことかもしれません。
海外で働くために読んでほしい記事
以上、「駐在員が帰国したくなるとき」でした。